訪問看護の紹介元は大きく2つあります。居宅介護支援事業所のケアマネジャーと、病院の地域連携室です。この記事は後者、病院への営業を扱います。
ケアマネ営業の全体像はケアマネ営業の基本を先に読むと、この記事の位置づけがわかりやすくなります。
地域連携室とは何をする部署か
地域連携室は、入院患者の退院支援・転院調整・在宅移行を担う部署です。看護師や医療ソーシャルワーカー(MSW)が在籍し、「この患者さんが自宅に帰るために、どの在宅サービスをどう組むか」を日々調整しています。
つまり連携室にとって訪問看護ステーションは、退院を成立させるための社会資源です。営業とは、その資源リストに正確な情報で載ることを意味します。
ケアマネ営業との違い
| 観点 | ケアマネジャー | 地域連携室 |
|---|---|---|
| 紹介される利用者 | 要介護高齢者が中心 | 医療依存度の高い退院患者が多い |
| 判断の速さ | ケアプランの中で検討 | 退院日が決まっており、急ぎが多い |
| 重視する情報 | 空き状況・対応の丁寧さ・報告 | 医療処置の対応可否・受け入れの速さ |
| 接点の場 | 事業所への訪問・電話 | 訪問に加え、退院前カンファレンス |
連携室からの依頼は「今週末に退院が決まった。点滴管理ができるステーションを探している」のような形で来ます。即答できる体制(誰が電話を受けても空きと対応可否を答えられること)そのものが営業力になります。
連携室に伝えるべき情報
初回の挨拶で持参・提示する情報は、次の5点に絞ります。
- 対応エリア(市区町村・町名レベルで)
- 対応できる医療処置——点滴・カテーテル管理・人工呼吸器・ターミナルケアなど、具体的に
- 24時間対応(オンコール体制)の有無
- 空き状況と、新規を受けられるまでの日数
- 直通の連絡先——電話がつながる時間帯と担当者名
パンフレットに書かれた理念よりも、この5点が一枚で見える資料の方が連携室では機能します。医療処置の対応可否は嘘や誇張が最も許されない項目でもあるため、できないことは「できない」と明記してください。できないことを正直に伝えるステーションは、できると言ったのにできなかったステーションより長期的に信頼されます。
退院前カンファレンスにつなげる
病院営業の到達点は、退院前カンファレンスに呼ばれる関係になることです。カンファレンスに同席できれば、退院直後からの利用開始につながり、主治医・病棟看護師・ケアマネジャーと一度に顔がつながります。
そのためには、初回の紹介を受けたときの動きがすべてです。
- 依頼の電話にはその日のうちに受け入れ可否を回答する
- 退院後の様子を、紹介してくれた連携室へ簡潔に報告する(書面1枚で十分)
- 断らざるを得ないときは、理由と「いつなら受けられるか」を添える
「紹介したら、きちんと受けて、報告が返ってくる」——この一巡が確認されると、次の紹介は格段に来やすくなります。
営業の頻度と管理
病院は数を回るより、主要な数か所を深くが基本です。エリア内の退院支援が活発な病院を数か所選び、月1回程度の情報提供(空き状況・受け入れ実績の変化)を続けます。
どの病院にいつ行き、誰と話したかは、ケアマネ営業と同じく記録に残して管理します。営業先の選び方は営業先リストの作り方、開設直後の動き方は開設後90日の営業計画で解説しています。
まとめ
- 連携室は「退院を成立させる資源」を探している。実績より対応可否と速さ
- 伝えるのは対応エリア・医療処置・24時間対応・空き・直通連絡先の5点
- できない処置は正直に「できない」と伝える方が長期的に信頼される
- 初回紹介への即答と報告の一巡が、退院前カンファレンスに呼ばれる関係をつくる