営業は「どこを回るか」が半分を決めます。そしてこの「どこ」は、勘や紹介待ちではなく、公開情報からリストとして作れます。この記事では、訪問看護ステーションの営業先リストをゼロから作る手順を解説します。
営業先は3種類
訪問看護の営業先は、優先度順に次の3種類です。
| 営業先 | 何をしている所か | 紹介される利用者 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所 | ケアマネジャーがケアプランを作成 | 要介護高齢者(件数の土台) |
| 病院(地域連携室) | 退院支援・在宅移行の調整 | 医療依存度の高い退院患者 |
| 地域包括支援センター | 高齢者の総合相談・要支援者の支援 | 要支援者・相談経由のケース |
土台になるのは居宅介護支援事業所です。病院への営業はアプローチが異なるため、病院・地域連携室への営業で別途解説しています。
手順1——対応エリアを先に決める
リストアップの前に、営業対象とするエリア(市区町村・地区)を決めます。移動時間は訪問効率=稼働率に直結するため、「車で◯分圏内」のように地理で線を引くのが実務的です。
エリアを広げれば営業先は増えますが、訪問1件あたりの移動が長くなり、緊急時の駆けつけも遠くなります。最初は狭く、稼働が埋まってきたら広げる方が管理しやすくなります。
手順2——公開情報から洗い出す
エリアが決まったら、次の公開情報源からリストを作ります。
- 介護サービス情報公表システム(厚生労働省)——居宅介護支援事業所を市区町村で検索できる。事業所名・住所・電話番号が取れる
- 市区町村のサイト——地域包括支援センターの一覧と担当地区
- 病院のサイト——「地域連携室」「患者支援センター」等の部署名と代表電話
この時点で、Excelに「事業所名・種別・住所・電話番号」の4列を埋めます。列構成の全体はExcelでの営業管理を参照してください。テンプレート(無料・登録不要)もそちらで配布しています。
手順3——優先順位を付ける
全件を同じ頻度では回れません。次の観点で重点先を絞ります。
- 距離——利用者宅への訪問ルートと重なる先は「ついで営業」ができ、接点頻度を上げやすい
- 併設サービス——訪問介護やデイサービスを併設する法人の居宅は、担当利用者数が多い傾向がある
- 過去の紹介実績——1件でも紹介があった先は最重点。お礼と経過報告で関係を太くする
重点先は月1回程度、それ以外は数か月に1回の接点(訪問にこだわらず電話・FAX・空き情報でよい)を目安に設計します。
手順4——リストを「死なせない」
営業先リストの最大の失敗は、作った直後が完成度のピークになることです。リストを生かし続ける条件は2つです。
- 接点のたびに最終接点日を更新する——更新されないリストは3か月で信用を失う
- 全員が見られる場所に置く——管理者の個人フォルダにあるリストは、管理者の退職と同時に消える
リストは「作る作業」より「回して更新する運用」の方がずっと重要です。運用の回し方は営業のコツにまとめています。
まとめ
- 営業先は居宅・病院・包括の3種類。土台は居宅介護支援事業所
- 先にエリアを地理で決める。移動時間は稼働率に直結する
- 介護サービス情報公表システムなどの公開情報だけでリストは作れる
- 距離・併設・紹介実績で重点先を絞り、接点のたびに最終接点日を更新する