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訪問看護の稼働率の考え方と上げ方——新規紹介・キャンセル対策・訪問効率

公開: 2026-09-14 MediChart編集部(合同会社L9)

稼働率は、訪問看護ステーションの経営状態を最も端的に表す指標です。訪問件数がそのまま収益になるビジネスモデルである以上、「訪問できるのに訪問が入っていない枠」は、そのまま逸失収益になります。

この記事では、稼働率を分解して「どこに手を打てば上がるのか」を整理します。

稼働率を決める3つの要素

稼働率は次の3つの掛け算で決まります。

  1. 新規利用者の流入——紹介元からの新規依頼
  2. 利用終了の流出——入院・施設入所・逝去・サービス終了
  3. 訪問効率——移動時間・キャンセル・ルート編成

このうち②の流出は、ステーション側でコントロールできません。利用者の状態変化で終了するのは訪問看護の性質そのものだからです。だからこそ、稼働率の維持は「①の流入をいかに安定させるか」の勝負になります。

流入を安定させる=紹介元との接点を切らさない

新規依頼は、ケアマネジャーや地域連携室が「そういえばあそこに聞いてみよう」と思い出した瞬間に生まれます。つまり流入の安定とは、紹介元の候補リストに載り続けることです。

具体的には次の循環を回します。

特に3つ目が重要です。利用終了で枠が空いたとき、それを黙っていれば空床のままですが、「今週から◯曜日午前に枠が空きました」と紹介元に伝われば、枠はそのまま営業材料になります。稼働率の管理と空き情報の発信はセットです。

訪問効率——同じ利用者数でも枠は増やせる

流入の土台があったうえで、効率改善には次の余地があります。

これらはすべて「どの曜日のどの枠が空いているか」を即答できることが前提です。管理表の作り方はExcelでの営業管理で配布しているテンプレートが使えます。

「断り」は稼働率の敵か

空きがないときに依頼を断ると、稼働率は保てても紹介元との関係が心配になります。ここで大切なのは断り方です。

依頼を断った相手への「空きました」の連絡は、最も刺さる営業連絡のひとつです。断りの記録も営業記録に残しておきましょう(→営業記録の書き方)。

まとめ

  1. 稼働率=流入(新規紹介)−流出(利用終了)×訪問効率。流出は制御できない
  2. だから稼働率対策の本丸は、紹介元との接点を切らさない営業の仕組み
  3. 枠が空いたら空き情報として発信する。稼働率管理と空き情報はセット
  4. 断るときは「空いたら連絡します」を添え、空いたら本当に連絡する

よくある質問

稼働率はどう計算しますか?

決まった公式が一つあるわけではありませんが、実務では「実施した訪問件数 ÷ 提供できる訪問枠」で考えるのが一般的です。大切なのは計算式の厳密さより、毎月同じ基準で記録して増減を見ることです。

稼働率が下がる一番の原因は何ですか?

利用終了(入院・入所・逝去など)自体は避けられないため、実質的な原因は「終了分を補う新規紹介が入ってこないこと」です。紹介元との接点が途絶えていないかをまず確認してください。

稼働率を上げるために営業以外でできることはありますか?

訪問ルートの組み方の見直し(移動時間の圧縮)と、キャンセル発生時に代わりの訪問を入れる運用が代表的です。ただし枠を埋める利用者がいなければ効果は出ないため、土台は新規紹介の確保です。