訪問看護の営業と聞くと「売り込み」を想像して気が重くなる方が多いのですが、実務でやることは違います。ケアマネジャーが紹介先を判断するために必要な情報を、切らさずに届けること。これが訪問看護営業の本体です。
この記事では、初回挨拶から継続フォローまでの手順を、現場で使える形でまとめます。営業がそもそもなぜ必要かは、ケアマネ営業の基本で解説しています。
営業して良い時間帯・避けるべき時期
相手の仕事のリズムを知っているかどうかは、第一印象を大きく左右します。
| タイミング | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 月初1〜10日 | 避ける | レセプト(請求業務)の集中期間。事務所全体が忙しい |
| 朝8:30前後 | 避ける | 朝の申し送り・ミーティング中 |
| 9:00〜9:30 | 良い | 申し送り後、外出前の事務時間 |
| 11:45〜13:15 | 良い | 昼の戻り時間。事務所に人がいる |
| 16:30〜17:30 | 可 | 訪問から戻り、記録業務の時間 |
| 17:30以降 | 避ける | 終業間際 |
「月初のお忙しい時期を避けて伺いました」のひと言が言えるだけで、業界を理解している事業所として扱われます。
初回挨拶——伝えるべきは3つだけ
初回訪問の目的は、契約でも紹介の約束でもなく「候補リストに入れてもらうこと」です。長居は不要で、5〜10分で十分です。
伝えるべき情報は次の3つに絞ります。
- 対応エリアと空き状況 — 「いま新規を受けられるか」はケアマネジャーが最初に知りたいこと
- 対応できる医療処置・体制 — 医療依存度の高い利用者、精神科訪問看護、リハビリ職の訪問、24時間対応の有無など、自分たちの強み
- 連絡先と窓口 — 誰に電話すればすぐ話が通じるか
逆に、パンフレットの内容を最初から最後まで説明するのは逆効果です。相手は業務の合間に時間を割いています。
継続フォロー——「頑張る」ではなく「仕組み」にする
営業の成果は初回訪問ではなく、その後の継続で決まります。ケアマネジャーの頭の中の候補リストは、接点が途絶えると静かに入れ替わっていくからです。
継続フォローで大切なのは、気合いではなく仕組みです。
- 紹介元ごとに最終接点日を記録する
- 一定期間(例:60日)空いた先を毎週の申し送りで確認する
- 空いた先には、訪問にこだわらず電話・FAX・空き情報の連絡で接点を作る
軽い接点の作り方は空き情報の伝え方で、記録の残し方は営業記録の書き方で詳しく解説しています。
営業が苦手なスタッフへの割り振り方
営業を特定の得意な人に任せると、その人の退職と同時に関係が消えます。おすすめは「訪問のついで営業」の分担です。
- 利用者宅への訪問エリアと重なる居宅に、帰り道の5分挨拶を割り当てる
- 話す内容は「空き状況」と「最近の対応事例(守秘義務の範囲で)」に固定する
- 帰ったら記録を1行残す
トークの上手さより、接点の回数と記録の蓄積が紹介につながります。この管理を紙やExcelで回す方法と限界はExcelでの営業管理にまとめました。
まとめ
- 月初のレセプト期間を避け、9時台・昼・16時半台に動く
- 初回は5〜10分で「空き・強み・窓口」の3点だけ伝える
- 成果は継続で決まる。最終接点日を管理し、60日空いたら軽い接点を作る
- 営業は属人化させず、訪問のついでに分担して記録を残す
営業のコツとは、特別な話術ではなく「相手の仕事を理解した振る舞い」と「忘れられない仕組み」の2つです。