「挨拶回り」は訪問看護の営業でもっとも基本の活動です。ただ、名刺とパンフレットを置いて回るだけでは、相手の記憶にはほとんど残りません。この記事では、挨拶回りを「候補リストに載る」ところまで届かせる実務を解説します。
持ち物——パンフレットより「一枚もの」
挨拶回りの持ち物は次の4点です。
- 名刺——役職(管理者など)が入っていると、その場で話が早い
- ステーション概要の一枚もの——A4片面に、対応エリア/対応できる医療処置・体制/営業時間と24時間対応の有無/空き状況/直通連絡先。この5点だけを大きく
- パンフレット——渡すが、主役にしない
- 空き状況のメモ——「今、どの曜日に枠があるか」を口頭で言えるように
ケアマネジャーが後日思い出すのは、理念ではなく「あそこは精神科対応ができる」「今なら空きがある」といった判断に使える事実です。一枚ものはそのための道具です。何を判断材料にしてもらうかはケアマネ営業の基本で詳しく解説しています。
話す内容——5分構成
挨拶の場では、次の順で5分あれば十分です。
- 名乗り+「近隣で開設した(している)訪問看護ステーションです」
- 対応エリアと空き状況
- 強み1つだけ(医療処置・精神科・リハビリ職・24時間対応など、最も紹介につながりやすいもの)
- 「ご利用者様のことで、看護の視点でのご相談があればお気軽に」
- 「また空き状況などの情報をお持ちします」と次の接点を予告して終える
3の「強みは1つだけ」が重要です。全部を伝えようとすると何も残りません。相手や地域によって出す強みを変えるのは構いませんが、1回の挨拶で出すのは1つです。
訪問のタイミング
挨拶回りにも適した時間帯があります。月初1〜10日のレセプト期間と朝夕の忙しい時間を避ける——詳しくは営業のコツの時間帯の表を参照してください。
挨拶回りを「点」で終わらせない
冒頭に書いたとおり、挨拶回り単体の効果は限定的です。効果が出るのは、挨拶回りが継続接点の1回目になったときです。
- 帰ったらその日のうちに記録を残す(誰と話したか・言われたこと・次のアクション。→営業記録の書き方)
- 2回目の接点は訪問でなくてよい。空き状況の連絡が自然(→空き情報の伝え方)
- 回る先と順番はリストで管理する(→営業先リストの作り方)
まとめ
- 主役はパンフレットではなく、判断材料5点を載せたA4一枚もの
- 話すのは5分。強みは1つだけに絞り、「また情報を持ってくる」と予告して終える
- 不在は失敗ではない。手書きメモ+後日電話で接点にする
- 挨拶回りは営業の入口。当日中の記録と継続フォローで初めて効果が出る