営業管理ツールの導入で失敗する原因は、製品選びではなく導入後の30日にあります。アカウントを作ったまま一度も使われない、という結末が最も多い。この記事では、そうならないための手順を順番にまとめます。
ツールを選ぶ段階の方は、先に営業管理システムの選び方をご覧ください。
1〜7日目:ルールを1つだけ決める
最初にやることは設定でもデータ移行でもなく、入力ルールの決定です。そしてルールは1つに絞ってください。
接点があったら、当日中に1行
これだけです。書式も文字数も問わない、と明言することが重要です。「きちんと書かないといけない」と思われた瞬間に入力されなくなります。詳しい書き方は営業記録の書き方にありますが、最初の30日は「1行でも書いてあればよい」で通してください。
8〜14日目:移すデータを絞る
過去データの全件移行は、導入が立ち消える最大の原因です。移すのは次の2つだけにします。
- 現役の紹介元——直近1年で接点があった先
- 最終接点日——それぞれの先に最後に行った日
過去の営業記録の本文は移さなくて構いません。最終接点日さえあれば、翌日から「古い順に並べて回る」運用が始められます。これが営業管理の本体です。
すでにExcelで管理しているなら、取り込み機能が使えるかを確認してください(→Excelでの営業管理)。取り込めない場合は、重点先だけを手入力で構いません。
15〜21日目:全員が1回ずつ書く
管理者だけが使っている状態では、最終接点日が信用できません。一部の接点しか記録されないからです。
この週の目標は「全員が1回ずつ書く」こと。それだけです。朝の申し送りで、前日に訪問した人に1行入れてもらうのが最も確実です。
うまくいかない場合、原因はほぼ次のどちらかです。
- 書く場所が事務所のPCしかない——訪問先や移動中に書けないと、記憶が飛びます
- ルールが増えている——いつの間にか「次回予定も必須」などが足されていないか確認してください
22〜30日目:見る習慣をつくる
書くだけの記録は日誌です。見て初めて営業ツールになります。
週1回、申し送りの5分を使って次を確認します。
- 最終接点日が60日以上空いた先を並べる
- そのうち上位3件に、今週の接点予定を割り当てる
- 割り当てた人が記録する
この循環が回り始めれば定着です。接点の作り方は訪問にこだわらなくて構いません。空き情報の連絡なら電話やFAXでも成立します。
定着したかの判定
毎週「先週の接点が何件記録されたか」を見てください。数が安定して出ていれば定着しています。
ゼロの週が2回続いたら、機能の使い方ではなくルールか入力手段を疑ってください。研修を増やしても解決しません。
まとめ
- 最初に決めるのは設定ではなくルール。「接点があったら当日中に1行」の1つだけ
- 移すデータは「現役の紹介元」と「最終接点日」の2つに絞る。全件移行は立ち消えの元
- 3週目の目標は全員が1回ずつ書くこと。管理者だけでは最終接点日が信用できない
- 4週目に「週1回、60日空いた先を見る」習慣をつくる。書く仕組みより見る仕組み